「閉める」と「閉じる」
このように「閉める」も「閉じる」も使える言葉があるように、2つの言葉の違いは非常にわかりにくいです。今回はどのような言葉に「閉める」が、どのような言葉には「閉じる」が使えるのか考えながらその言葉の違いを考えたいと思います。
他動詞?自動詞?
「閉める」は他動詞で、「閉める」の自動詞は「閉まる」です。一方、「閉じる」は他動詞と自動詞の両方に使用することができます。
辞書での意味は?
しめる:「本来構造物の一部を構成しているものを動かし空間をなくす」
とじる:「離れていた部分を元に戻して一つにする」
これだけではわかりにくいので実際の例を見ながら考えましょう。
「閉める」しか使えない言葉
「閉じる」しか使えない言葉
- 目を閉じる
- 教科書を閉じる
- 傘を閉じる
- 会議を閉じる
「閉める」も「閉じる」も使える言葉
- ドアを閉める、閉じる
- 窓を閉める、閉じる
- フタを閉める、閉じる
- カーテンを閉める、閉じる
「閉める」と「閉じる」の違いは?
「カギを閉める」「水道を閉める」のように「閉める」には物の一部を動かして通っている状態を通らない状態に変化するという意味があります。イメージとしたは何かをまわしてって通らない状態にするのが「閉める」です。
一方、「目を閉じる」「教科書を閉じる」のように「閉じる」には空いていたものが元に戻る、両端を合わせた状態になるという離れた状態のものが元に戻る様子を表します。さらに、「閉める」には「会議を閉じる」のように続いていたものを終わらせるという意味もあります。
「閉める」も「閉じる」も使える「フタを閉じる」という言葉に関しても、「ペットボトルのフタを閉める」のように何かを回すものには「閉める」を、「タッパのフタを閉じる」のように両端を合わせるものには「閉じる」がよく使われます。